小屋内の環境がどのような状況であるかを把握するために2018年7月~2019年6月にかけて、室内の気温と湿度を「温湿度ロガー」を用いて計測しました。その結果から、特に夏季に快適に利用するためにどのような対策が必要かを考察しました。
山小屋は、標高約850mの落倉高原に位置し、小川や湿地帯のそばに建設されたため水の利用には不便はありませんが、一年を通じて比較的湿度が高い環境であると感じています。
1985年の建設以来、湿気対策のため多くの改良工事を重ねてきました。
・周辺敷地の排水管を埋め込む工事
・地下室床のコンクリート打設工事
・地下室の通気口を設置する工事
・室内換気扇の設置など
以下は、山小屋室内の環境とグリーンシーズンの利用時に快適に過ごすための対策です
<山小屋の室内環境と夏季利用時のリスク>
・年の平均室温は11.4度で最高は30.4度で最低は―5.1度
・ 平均湿度は74.4%、最高90.1%、最低33%
・ 最低湿度の33%は5月(天気は晴れ)※宿泊利用中で通気状態
・ 最高湿度の90.1%は10月(天気は雨)
・ 快適な湿度の時期は、2月~5月(湿度40%~60%)
・ 室内暖房時は、室温は20~25度、湿度は約50~60%(一般に快適と感じる)
・ カビ発生のリスクは、7月~8月(室温20度~40度、湿度70%以上)
・ ダニ等の虫刺されリスクは、5月~9月(室温20~30度、湿度60%以上)
<リスク対策>
① ダニ等の虫刺され対策
・ 5月~9月は、防虫スプレーで対策(イカリジンの成分配合等が効果)
② カビ発生の対策
・ 本棚(収納棚)は、概ね2ケ月毎に湿気とり器「水とりぞうさん」等の交換
・ 7月~8月のカビ予防に備え、5月~8月に畳を防カビ用スプレーで対策
・ 畳の収納時は、カビが付きにくいように床に重ねて平置き